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◆ ポリフォン104型 19 5/8インチ ディスク・オルゴールのコスト No. 3 ◆
Essay006 掲載 2005/4/22 改訂1 2006/6/14
で買う場合忘れてはならないのは、落札してから後のにかかるリスクも考えねばなりません。とにかくリストアを依頼する場合は腕の良い誠実な工房を見つけることが最重要課題です。
海外の工房に修理を頼む時のリスクとメリット リストア代金 リストアの見積を取るには工房にオルゴールを送らねばなりません。工房の言ってきた見積金額を前払しなければ着手してくれません。別の工房から相見積を取るのは極めて困難です。
作業期間 6〜12ヶ月が必要です。腕の良いところほど混んでいます。再輸入までの期間が1年以上になると、再輸入したときに税関で問題が起こります。
札付き お金を送らせて着手しない工房があるという噂を聞きました。そこに修理のためにオルゴールを送ると「預かっていない」と言うそうです。修理する気が無いのなら返してほしいですね。 を紛失した状態で送ってきた業者があります。 簡単な手直し程度の修理でもいいはずなのに見積を取るために工房のあるイギリスまでオルゴールを空輸させようとしました。 腕がよくても高齢でいつ亡くなるかわからない方がおられます。
輸送事故 運送保険でカバーするべきです。費用はわずかです。
コミュニケーション メールでもファックスでも可能ですが、当然ながらすべて英語(私の経験ではドイツ語やフランス語は不要)。中には手紙(エアメールで往復2週間必要)しか受け付けない工房(ここはコンピュータも持っていないそうです!)もあります。
メリット オルゴールの本場での歴史、経験、ネットワークが期待できます。中には100年前に生産された本物の補修部品を在庫している工房もあります。
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日本の工房に修理を頼む時のリスクとメリット 技術、経験がないのにホラを吹く技術者。 たくさんのCDを聞いてそのタイプで調子のよいオルゴールの音楽を頭に叩き込んでから、その工房の作品を聞かせてもらい「音楽」という観点で評価すれば良いでしょう。その時工房の主の意見は参考になりません。技術者として誠実な人を探さねばなりません。昔あるが持っているオルゴールのCDを聞いて驚きました。メロディーラインが無いのです。それはシリンダー・オルゴールだったので多分隣の曲を同時に演奏(かが磨り減っていたためか)していたのでしょう。そのCDの録音に立ち会った録音技師には音楽に関する知識経験が無かったのでしょう。そしてディーラーはオルゴールの在庫が多数あるにもかかわらずオルゴールに関する技術的な知識がまるで無かったのでしょう。
神がかりな説明をする技術者。 オルゴールは新興宗教ではありません。正しい知識と豊かな経験、正確な耳と優秀な計測機器、精度のよい工作機械による修理がなければ、いくら心を込めてもオルゴールは良い音楽を演奏しません。
メチャクチャに高い。 バブルの時にこのような例を数多く聞きました。今はインターネットで妥当な値段を調査できます。
ディスク 修理が終わってから継続的にの新しいを妥当な値段で入手してもらえるのでしょうか。
メリット 日本語で注文できる。出来上がったものを聞いてから買うことも可能。壊れたら簡単に持込修理依頼や出張修理依頼ができます。
自分でリストアする場合のリスクとメリット。 (これからのEssayで私の経験を書く予定です。) 時間 文献調査に必要な時間(かなり必要です)を除いて、作業だけで200時間程度(週末に作業をするとして2年間)を見ておかねばなりません。最初の場合が100時間、が100時間でしょうか。困難な機械加工が必要な場合は街の鉄工所等に頼まねばなりませんので、その方面の人脈も必要です。木工に関しては木工教室に通われることを強くお勧めします。
参考書 和文の参考書はMBSI日本支部の1冊だけ、英文の文献も入手困難という寒い状況です。絶版書ですがVestal Press刊行Graham Webb著The Musical Box Handbook Vol.2 Disc Boxesのまたはをお勧めします。
最近ハイランド・アンティークより「オルゴール修理の実技」と題する本を出版されました。詳しくはエッセイ29をご覧下さい。
パーツ MBSIの広告を探せば、で大量に作られた機種に関してのみ既製品で入手の可能性があります。ダメなら古い部品をモデルにオーダー・メイドです。
指導 私の場合はアメリカのディーラーから材料としてを、修理技術支援付きという条件で少し割高に買いました。必要な部品、消耗品、油脂類、洗剤、工具、塗料もアドバイスに従ってそこから買いました。オークションで直に買えば専門家の技術指導は絶望です。
工具 私の場合、(強力なリューターのようなもの)以外は手工具だけです。全部で20万円もかかりませんでした。アマチュアがチャレンジする場合は旋盤、フライス盤を使う作業は外注すべきです。私がパーツとして入手したポリフォン104のは少し厚かったためサーフェイス・グラインデイング・マシンという特殊な工作機械で必要がありました。
安全 ディスク・オルゴールの大きなを暴走させると確実に大怪我になります。をさせると貴重なオルゴールが一瞬で全損になります。古い油脂を洗浄する有用な溶剤には極めて毒性の高いものがあります。危険な硫酸を扱う工程があります。
メリット 工作が好きな人にとっては格好のオモチャです。でもアドバイスをしてくれるところ、部品、工具やディスクを売ってくれるところを確保して参考書をよく読んでからでないと着手してはいけません。
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