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Page No.28
◆ 鳥オルガン・組立キット ◆
E028 掲載 2008/7/15

学習研究社という出版社が「大人の科学」と題したシリーズで、からくり人形や蓄音機の組立キットを詳細な説明書とセットにして販売しています。今回は自動オルガンの一種セリネット(例1例2)が取り上げられました。学研の担当の方からセリネットのオーナーに関する問い合わせがありました。コレクションとして収蔵している博物館の電話番号などを教えてあげました。後日丁寧な御礼の手紙と一緒に出来上がった鳥オルガンのキット(販売価格は実に2500円という安価なものです)が一組送られてきました。買おうと思っていたのに、これはありがたい。ごくごく短期間に企画案からキットとして纏め上げたのは、素晴らしい手腕と思いました。
左側は外箱。右側はマニュアル(解説本) 外箱とマニュアル(解説本)
早速マニュアル片手に組立作業開始、キットのほかに必要なものは小型プラスドライバー(時計用はダメ)とグリス(模型用でOK)だけ。どちらも手持ちがありました。マニュアルのイラストはよく出来ているし、部品同士の嵌め合いもGoodなので順調組立完了(1時間程度かな)。音は学研のサイトを参照してください。サイトの下の方に完成品の動画サンプル(音が出ます)がありますのでクリックしてみてください。
調律はパイプオルガンの閉管と同じやり方で、パイプの先端にスポンジの栓を押し込んで管長を調節するやり方ですが、これ難関。小生は幸いKORGのMT-1200型チューナーを持っていたので、参照しながら調律したのですが、この方法では上手く出来ませんでした。結局60ページに掲載されている閉管の管長を逆算で求めてセットしたところ大体OKとなりました。ストローでパイプの根元に息を吹き込んで精密に合わせようとしても、送り込む風の強さを厳密に一定にしなければならないので現実的ではないかと思います。後は音楽を聴きながらのトライアンドエラーになるようです。60ページに印刷されている台紙は最初は貼り付けないでテストしたほうが好いでしょう。風が漏れるようだったら台紙を貼り付けてもいいかと思います、でも一旦貼ると剥がすことは出来ません。私の場合は部品にミスがあったので、台紙を貼るとロールが硬くなって動きませんでした。学研にメールで申し出たところ、直ちに(翌日到着!)代品を送っていただきました。この辺りは大手企業の事務処理担当者の貫禄デス。

開封前の組立キット 開封前の組立キット
完成した鳥オルガン 完成した鳥オルガン 演奏のデータは紙のロールに記録されています。マニュアルの付録としてアメイジング・グレイスなど7曲分の印刷済みロールとテスト用ロールが付属しています。ロールには穴の位置だけが印刷されているので付属のパンチで穴を明けねばなりません。ところがオールプラスチック製のパンチなのですぐに刃が切れなくなります。ここはオルガニート20に付いていた金属製のパンチの出番です。この金属製のパンチは切れ味が悪くなると、アルミ箔をパンチすれば元の切れ味に戻ります。連続した穴は両端をパンチで明けてからNTカッターと定規で長穴にした方が楽です。
完成した鳥オルガンの音を聞いてみると、ピピピピピッという断続音が聞こえてきます。鳥らしい声を再現するのには成功していますが、オルガンとして連続音を主体にした「音楽」を演奏するのはチト無理がありそうです。連続音を出させるためにはフイゴの容量増加と複式化(常にどちらかが風を作っている)と風のバッファーとなる空気室が必要でしょう、これは機構が複雑だし、大きさも大変なものになるので現実的(2500円の予算では)ではありません。マニュアルはパイプオルガン、セリネット、オルゴール、鳥が囀る歌の話、鳥オルガンの編曲手法など盛りだくさんです。僅か2500円でここまで楽しめるものはなかなかありません、オススメです。

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