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Page No.30
◆ こでまりのオルゴール館 ◆
E030 掲載 2009/9/9
改訂1 2009/12/24
                                                                                 Maimai 作

     注意・・・・・・・ この物語は、私の想像によるフィクションです。
                      実在の場所や人物とは一切関係がありません。
 
      主な登場人物・・・ 私、館の主人、館の奥さん
こでまりとラベンダー こでまりとラベンダー
こでまりの花が咲く、美しい館― 
この館のことを、人々は「こでまりのオルゴール」と呼ぶ―

 館の庭で、こでまりの花があたたかく出迎えてくれた。私は、館の中へと足を踏み入れた。

 「カラン!」

 私がベルを鳴らすと、優しそうな男性と女性が出迎えてくれた。どうやら、この館の主人と奥さんらしい・・・。

「あなたは、この館の500人めのお客様です。」
 そう言うと、館の主人は、こでまりの花をあしらった冠をかぶせてくれた。
 (私が・・・500人め・・・?)
 私はすぐには信じられなかった。
館の中に入ると、館の主人は、様々なオルゴールを聴かせてくれた。他に人は居なくて、私だけの貸切り状態だった。奥さんが出してくれた紅茶をいただきながら、私は美しい音色に耳を傾けていた。

♪ 「庭の千草」 ♪クリックしてください、演奏が始まります。Windows Media Playerの画面を最小化すればこの文を読み続けることができます。

♪ 「埴生の宿」 ♪

♪ >「カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲」 ♪

「カノン」

今日のプログラムの中で、特に気に入った曲だ。
鍛鉄の門扉 鍛鉄の門扉
満開のこでまり 満開のこでまり (ああ・・・、ここは私の居場所なのだ・・・。)
無意識のうちに、私の目からは涙があふれていた・・・。
 「どうか・・・なさったのですか?」
 奥さんにきかれて、私はとまどった。涙を見られたのが少し恥ずかしかった。
 「あまりにも素敵な場所で・・・、ここが私の居場所なのだと感じましたので・・・。」
 私は言った。

 空はいつの間にか夕暮れになっていた。
「もっと居たいのですが・・・、帰らなければなりません・・・。今日はありがとうございました・・・。」
「いつでもお待ちしています。」
そう言うと、館の主人と奥さんが庭まで見送ってくれた。


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 気がつくと、ベッドの上だった。館の主人にかぶせてもらったこでまりの花をあしらった冠は無かった。どうやら夢だったらしい・・・。いつものオルゴールがさびしげな音を奏でているように感じたのは、きっと夢で様々なオルゴールを聴いたからだったのかもしれない・・・。

(Fin,)


サイト・オーナー(あとりえ・こでまり主人)による脚注 (本文でアンダーラインの部分

 あるオルゴール・ファンの女性から2009年3月19日に、作品を私のサイトに献呈していただきました。日本海を望む雪国の小高い丘にお住まいの、細身で色白の美しい方です。とある北国のオルゴール博物館でアンティーク・オルゴールを聴かれて感動されたとか。テーマの「こでまり」は偶然の一致! 私も作者のMaimaiさんも、これには驚きです。

こでまり  写真をご覧ください。清楚な白い小さな花が、オルゴールが紡ぎ出す音のように枝一杯に咲きます。時期は4月の中旬の1週間ぐらい。中国原産でバラ科、学名Spiraea Cantoniensis、漢字では小手毬または鈴懸(スズカケ)。

  ヤカタッ? 残念ながら我が家はそんなに大きくはありません。

優しそうな  多分小生が太っている(自称・・小太り)からでしょう。

貸し切り状態  いつも、来られたお客様だけのために演奏会をしています。

「庭の千草」レジーナ15インチ、「埴生の宿」エロイカ、「カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲」ポリフォン24インチ。クリックするとオルゴールで演奏が始まります。カノンは準備中。

涙があふれていた  このような感性を持てる方は幸です。私もこれを忘れてはいけないと自戒。

2009年のクリスマスイヴにMaimaiさんから素敵なクリスマス・メッセージが届きました。オルガニート20の伴奏でMaimaiさんがフルートを演奏してくださったのです。曲目は♪ 「もみの木」 ♪ ← クリックしてください、演奏が始まります。Windows Media Playerの画面を最小化すればこの文を読み続けることができます。鋭い音が雪国の深い新雪に飲み込まれたのでしょうか、まるで木管のフルートのような優しい音になりました。

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