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カスケット・タイプ ( casket type )
g022 G0220 掲載 2005/7/18

この用語に関してはオルゴール用語集の中にある「フォールディング・トップ」G0615の記事を参照してください。その記事の中では赤字でこの用語を表記しています。
イギリス Oxford from Beadington Hillの風景を掲載しています。

ガバナー・ベーン ( governer vane )
g022 G0215 掲載 2005/4/21

この部品の形状や位置などについてはイラストG0053シリンダー・オルゴールのガバナーをご覧ください。
この用語に関してはオルゴール用語集の中にある「ガバナー」G0201の記事を参照してください。その記事の中では赤字でこの用語を表記しています。

イギリス Scale Forge, Crummock Waterの風景を掲載しています。

ガム・ナンバー ( gamme number )
g022 G0218 掲載 2005/8/19 改訂2 2011/4/5

下の写真で見られるように、チューン・シートには製造番号のほかにガム・ナンバ−(ミュージック・ナンバーと呼ばれることもあります、gamme=フランス語で音階)が記入される場合がよくあります。下の例は珍しいチョコのアントン・オルブリッヒ製の例ですが、たくさん製造された高名なニコル・フレールのオルゴールにはほとんどに製造番号とガム・ナンバーが記入されています。ガム・ナンバーは櫛歯調律を表す整理番号のようなものです。
チェコのアントン・オルブリッヒ製オルゴールについていたチューン・シート
珍しいチェコのアントン・オルブリッヒ製オルゴールについていたチューン・シートで、右上の製造番号(シリアル・ナンバー)は11013、左上のガム・ナンバー(ミュージック・ナンバー)は463と記入されています。つまり463番の調律をした櫛歯を使った11013号のオルゴールというわけです。
出典 Kammspielwerke aus Wien und Prag:Tanzmusik OEAW PHA CD 6( Musical Boxes from Vienna and Prague: Dance Music )のジャケットP6
Reproduced with permission from “Kammspielwerke aus Wien und Prag:Tanzmusik OEAW PHA CD 6 Musical Boxes from Vienna and Prague: Dance Music” and “Kammspielwerke aus Wien und Prag:Opernmelodien OEAW PHA CD 10 Musical Boxes from Vienna and Prague: Operatic Melodies” by Prof. Dr. Dr. h.c. Herwig FRIESINGER, Generalsekretär der Österreichischen Akademie der Wissenschaften.
原著作権者Prof. Dr. Dr. h.c. Herwig FRIESINGER, Generalsekretär der Österreichischen Akademie der WissenschaftenよりこのCDのジャケットの翻訳および曲の一部をこのサイトに掲載することについて2005年1月10日付書面(e-mail)で許可を受けております。 転載禁止
シリンダー・オルゴールは演奏する曲目ごとに違う調律の櫛歯を使います。そのオルゴールが演奏する曲でよく使われる音はたくさんの歯を並べ、使わない音は櫛歯から無くしてしまって最小限の櫛歯の数で最大限の効果を求めようとするわけです。

編曲技術者の話では櫛歯にどのような音をいくつ配置するかがもっとも難しい作業だったとのことです。調律の配置表はオルゴール・メーカーにとって編曲データと同じくらい重要(番号による管理を必要としたぐらい重要)な財産だったのでしょう。

ここまで書いたところで気が付いたのですが、なぜミュージック・ナンバーとガム・ナンバーの2つの呼称ができたのでしょうか。上記のアントン・オルブリッヒの例ではチューン・シートにミュージック・ナンバーとはっきり書かれています。この番号はそのオルゴールに収容している曲目のグループに対して与えられた管理番号(オルゴールの受注や生産を管理するため番号)ではないでしょうか。つまりまず先にそのオルゴールが演奏できる曲目のグループありきで、曲目が決まれば一意に櫛歯の調律が結果的に決まります。ニワトリが先かタマゴが先かの議論になりそうですが、販売する立場(つまり営業部)で考えてみると先に曲目があったのでないでしょうか。皆様のご意見はいかがでしょう?

MBSGBのオルゴール登録プロジェクトによれば、ニコル・フレール社製シリンダー・オルゴールのガム・ナンバーに関してはたくさんのデータが得られていて、ガム・ナンバーがわかればプロジェクトのメンバーに曲目を教えてもらえるそうです。ただしガム・ナンバーに「bis」(フランス語で2度とか再び、アンコールと言う意味)と表示されている場合は、櫛歯の調律は同じでも最初にそのガム・ナンバーで作られた曲の組み合わせとは異なる組み合わせの楽曲が組み込まれています。

ギア・ドライブ ( gear dirve )
g022 G0217 掲載 2005/4/30

この用語に関してはオルゴール用語集の中にあるエッジ・ドライブ」G0113の記事を参照してください。その記事の中では赤字でこの用語を表記しています。


Holy Trinity Church


クロス・バンディング ( cross banding )
g022 G0219 掲載 2005/7/4

シリンダー・オルゴールの蓋やケースの周囲が細長い木片を埋め込んで作った模様で飾られている場合がよくあります。この装飾技法を木工の世界では単純な直線の場合はストリンギング( stringing )、複雑な帯状の場合はクロス・バンディングと呼びます。

色は木材の自然の色を生かす場合もありました。白、黄色、薄茶色、焦げ茶色、赤、黒とさまざまな材木があります。紫檀( シタン rosewood )、白檀( ビャクダン sandalwood )、オレンジ ( orange )、シトロン( citron )、マホガニー( mahogany )、黄楊( ツゲ boxwood )、柊( ヒイラギ holly )、楓( カエデ maple )、黒檀( コクタン ebony )などです。自然の色では間に合わない場合は染料(花の赤やピンク、葉の緑)で染めました。
クロス・バンディングとヘリング・ボーンのイラスト
花模様のマーケットリー
クロス・バンディングは左の図のように木目が見えるように帯状に切断した板をケースの素材に埋め込んで作ります。そのとき図のようにコントラストの強い色の木材で挟むことがよく行われました。

ヘリング・ボーン( herringbone ニシンの骨、杉綾織 )は左の図のように木目が見えるように帯状に切断した2枚の板を逆向きに組み合わせてケースの素材に埋め込んで作ります。そのとき図のようにコントラストの強い色の木材で挟むことがよく行われました。

すばらしい花模様のマーケットリーの周りをクロス・バンディングやストリンギングが3重に取り囲んでいます。
撮影記録なし。






David BowersのエンサイクロペディアのP25にシリンダー・オルゴールの装飾のすばらしい例と解説が掲載されていますのでご覧ください。

コイン・オペレート ( coin operate )
g022 G0212 掲載 2005/9/5 改訂 1 2007/6/13

アップライト型ディスク・オルゴールはパブ、ホテルのロビー、駅の待合室、アイスクリーム・パーラーのカウンターなどで、小銭(コイン)を投入すると演奏が始まる営業用の設備として設置されていました。アップライト型の場合、ケースの側面にあるコイン・エスカッシャン( coin escutcheon )で装飾されたコイン・スロット ( coin slot )に硬貨( coin )を投入するとコインはコイン・シュート( coin chute )を通ってコイン・パン( coin pan )に入り、バランス・アームを傾けて演奏が始まります。演奏が終わりに近くなるとコイン・パンが傾けられて、コインがコイン・ドロワ( coin drawer )に落とされます。

サービスの一つとしてコインを投入するとルーレットが回り、何回かに1回の割合でコインが戻されるものが作られました。また射的のゲームとか、競馬のゲーム(カリオペの製品が有名)などが組み込まれたものも作られました。
代表的なアップライト型ディスク・オルゴールのコイン・メカニズム
テーブルトップ型とステーション・ボックス
最も代表的なアップライト型ディスク・オルゴールのポリフォン104型です。コインの通過する部分がよく見えます。
左の写真は東京都文京区にあるオルゴールの小さな博物館の好意で撮影したものです。右は「あとりえ・こでまり」でリストア中の写真です。


左は比較的珍しいテーブルトップ型ディスク・オルゴールでコイン・オペレートのものです。
撮影記録なし。
右はスイスの鉄道の駅に設置されたステーション・ボックスと呼ばれたシリンダー・オルゴールです。
この写真は東京都文京区にあるオルゴールの小さな博物館の好意で撮影したものです。
シリンダー・オルゴールでもコインオペレートの例があります。この写真はある個人コレクターの好意で撮影したものです。

使用するコインの種類を変更する場合はバランス・アームの先についているカウンター・ウエイトを動かしてコインの重さとのバランス調整をしなければなりません。

コイン・ドロワ ( coin drawer )
g022 G0216 掲載 2005/4/21

この用語に関してはオルゴール用語集の中にある「コイン・オペレート」G0212の記事を参照してください。その記事の中では赤字でこの用語を表記しています。

イギリス Shakespere

コリブリ ( colibri )
g022 G0213 掲載 2006/3/18

コリブリはAmi Ribencによって1890年以後に作られました。これをシリンダー・オルゴールの仲間に入れてもいいのかは迷うところです。コリブリは一見したところ普通のボワ・セレステのように見えます。シリンダーの後方には小鳥の剥製が取り付けられており、通常2本のレバーが付いています。チューン・カードにはChant No.1 Chant No.2・・・・ Chant No.6というような曲名が記入されています。

このオルゴール?は音楽を演奏するのではなくて、小鳥が歌う囀り声を楽しむために作られたノベルティー・グッズというべきものです。ちょうどシンギング・バードと同じ様なコンセプトに基づくものです。2本のレバーは小鳥の剥製を動かすためのものです。コリブリはフランス語で原義は「蜂鳥 ハチドリ」です・

残念ながらコリブリの写真をサイト・オーナーは持ち合わせておりませんし、まだ実機を見たこともありません。録音例も私のCDコレクションの中にはありません。残念ながらこの記事は文献だけに頼ったものです。

コンソール型 ( Console Type )
g022 G0204 掲載 2005/4/10

テーブルトップ型ディスク・オルゴールが大きくなって、そのまま床に置くようになったものをコンソール型と呼びます。スイスのメルモード社によってムーブメント(半製品での運搬に便利な細い形をしていました)が作られ、アメリカでケースに入れられてステラ( Stella )やミラ( マイラ Mira )というブランドで売られていたものに多く見られます。
大型のコンソール型ディスク・オルゴール 26インチ
コンソール型ディスク・オルゴール 17インチ1/4
Stella No. 200 Orchestral Grand.
大型のコンソール型ディスク・オルゴール
ディスク・サイズ 26インチ(66cm)
高86cm 幅104cm 奥行76cm
出典 カタログ・リプリント Jacot Music Co., P12




Stella No. 268 Stella Grand in Combination Cabinet.
コンソール型ディスク・オルゴール
ディスク・サイズ 17インチ1/4(44cm)
高91cm 幅76cm 奥行56cm
出典 カタログ・リプリント Jacot Music Co., P11


グラン・フォーマット ( grande format, grand format )
g022 G0214 掲載 2006/3/18

これは特別に大きなシリンダー・オルゴールの名前で若干はメーカーの「これはいい製品ですよ」と言いたいセールストーク的なニュアンスもあるようです。クリスティーズ2004年5月のオークション・カタログ106ページにニコル・フレール社ピアノ・フォルテ・グラン・フォーマット・マンドリンという豪華版のオルゴールが掲載されています。大型のオルゴールであるオーバーチュア・ボックスは、よくグラン・フォーマット・オーバチュアと呼ばれています。どのくらいの大きさになればグラン・フォーマットと呼ばれるかについては決まっていなかったようです。インターチェンジアブルのオルゴールについては、大きくてもグラン・フォーマットとは呼ばれていません。
グラン・フォーマット
ニコル・フレール社製のグラン・フォーマットです。このクラスのオルゴールになると、植物などのモチーフのマーケットリーではなくて、このオルゴールのように見事な幾何学模様のパーケットリーがよく見られます。
この写真はある個人コレクターの好意で撮影したものです。